2026年6月
震災復興が生んだ女性向けワンルームマンション
オーナー様は旅行好きで、
ロシアからヨーロッパ各国を訪れておられました。
「ヨーロッパの街並みを思わせる、
おしゃれな建物にしたい」とご希望されました。
「どこの国でしょうか?」とお尋ねしましたが
定かではありませんでした。
そこで、ヨーロッパ各国の代表的町並みの写真を
ご覧いただき、どうやらフランスがお好きなご様子と判断。
参考になる建物を探し、
当時、大阪・御堂筋の心斎橋角に建っていた
シャネルの建物が良いかと思いご提案しました。
重厚感の中に上品さと優雅さを感じさせるその建物は、
オーナー様のご要望とよく重なると感じました。
そこで、そのイメージをもとに外観デザインをご提案しました。
デザイン提案スケッチ(2000年)
建築予算との兼ね合いから、 当初の丸屋根は形状を見直し、
2階以上はタイル仕上げとすることで工事費を抑え、 さらにオーナー様のご要望でタイルは
汚れが目立ちにくいものをご希望され、
素材選びには時間をかけましたが、
最終的には1・2階のデザインとも調和した仕上がりとなり、
ご満足いただきました。
施工前の建物は機能的なマンションでしたが、
完成後は街並みに映える
落ち着いた表情を持つ建物へと生まれ変わりました。
工事中から入居希望者の問い合わせが入り始め、
完成した時には満室となりました。
オーナー様からは、
「国道を車で走ってきたらよく目立ってエエわ!」
と喜びのお言葉頂きました。
翌年、当社の事務所も置かせていただくことになり、
2015年まで15年間も使わせて頂きました。
私はいつも、
「建物は単なる箱ではなく、
そこに住む人の未来をつくるもの」
だと考えています。
このマンションもまた、
震災後の新しいまちづくりの中で、
人と街をつなぐ建物として生まれ変わりました。
今もオーナー様とのお付き合いは続いており、
私にとっても忘れることのできない大切な仕事の一つです。
